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今年何度も読んだ本「死ぬ気まんまん」


(2018年12月 修正済み)

今年、何度も読んでしまった本は
「100万回生きたねこ」の佐野洋子さんのエッセイ「死ぬ気まんまん」。

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あまりにもストレートに、
正直に思いを吐露しているので
びっくりポンでした。


ガンを告知されたその帰りに、
店頭のジャガーを
「これください!」と買ってしまう大胆さ。

「先生、あと2年って言われたのにとっくに過ぎたじゃないですか。
金使っちゃったじゃないですか!」
って、お医者さんと笑ってしまうという具合。


なんて言うのか、

自分がブレないって言うのか、
誰のことも気にせずに、
言いたいことを言って、やりたいようにして、
「自分」を生きている感じが私にはない大胆さで、
読んでいてすっきりした。


けれど、

母親との葛藤を書いたエッセイ「シズコさん」を読んで
これまたストレートな文章にびっくりなのだけど、、、

洋子さんの中の小さい洋子ちゃんが
いつまでも心の奥でヒリヒリとうずいている。

同じ苦しみだと思う女性がたくさんいるだろうな。

私もそう。

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認知症が進んで娘の事も分からなくなった
お母さんとの最後の日々は、


お母さんを優しく看たい気持ちと、
おそらく忘れてしまいたい記憶や
混沌とした感情と向き合わざるを得ない葛藤の日々で
苦しかったのだろうな、、、。


母と娘。


家族の歴史があり、

綺麗事では済まされない。


自分の正直な気持ちがちゃんと心にあるからね。

赤裸々な黒い感情をも包み隠さずに書いてしまうところが
びっくりするけど、
共感を呼んだり、すっきりするのだろうと思う。




「死ぬ気まんまん」を書いた2年後にガンで亡くなられていますが、
ガンよりも、その前に患った神経症の方がよっぽど辛かったようです。

その痛みに耐えかねて、どういう訳か友達に紹介されて
ホスピスに短期で入院することになるのだけれど、

その体験が物語のような、幻のような。

その壮絶な痛みの感じや、病院でのおかしな癒され方が
昔の私ととっても似ていたので、
何度も読んでしまったのです。


 Cherry Creek・手芸部ようこ
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by shugeibu45 | 2016-12-30 12:51 | | Comments(0)

痛みの症状(線維筋痛症・化学物質過敏症)があるけれど、ささやかな手芸活動Cherry Creek(手芸部☆ようこ)と大切な友達との繋がり、自然に触れる事で癒されている日常を書いています。(since2012.12)


by 手芸部ようこ