今年何度も読んだ本「死ぬ気まんまん」
2016年 12月 30日
(2018年12月 修正済み)
今年、何度も読んでしまった本は
「100万回生きたねこ」の佐野洋子さんのエッセイ「死ぬ気まんまん」。
あまりにもストレートに、
正直に思いを吐露しているので
びっくりポンでした。
ガンを告知されたその帰りに、
店頭のジャガーを
「これください!」と買ってしまう大胆さ。
「先生、あと2年って言われたのにとっくに過ぎたじゃないですか。
金使っちゃったじゃないですか!」
って、お医者さんと笑ってしまうという具合。
なんて言うのか、
自分がブレないって言うのか、
誰のことも気にせずに、
言いたいことを言って、やりたいようにして、
「自分」を生きている感じが私にはない大胆さで、
読んでいてすっきりした。
けれど、
母親との葛藤を書いたエッセイ「シズコさん」を読んで
これまたストレートな文章にびっくりなのだけど、、、
洋子さんの中の小さい洋子ちゃんが
いつまでも心の奥でヒリヒリとうずいている。
同じ苦しみだと思う女性がたくさんいるだろうな。
私もそう。
認知症が進んで娘の事も分からなくなった
お母さんとの最後の日々は、
お母さんを優しく看たい気持ちと、
おそらく忘れてしまいたい記憶や
混沌とした感情と向き合わざるを得ない葛藤の日々で
苦しかったのだろうな、、、。
母と娘。
家族の歴史があり、
綺麗事では済まされない。
自分の正直な気持ちがちゃんと心にあるからね。
赤裸々な黒い感情をも包み隠さずに書いてしまうところが
びっくりするけど、
共感を呼んだり、すっきりするのだろうと思う。
「死ぬ気まんまん」を書いた2年後にガンで亡くなられていますが、
ガンよりも、その前に患った神経症の方がよっぽど辛かったようです。
その痛みに耐えかねて、どういう訳か友達に紹介されて
ホスピスに短期で入院することになるのだけれど、
その体験が物語のような、幻のような。
その壮絶な痛みの感じや、病院でのおかしな癒され方が
昔の私ととっても似ていたので、
何度も読んでしまったのです。
Cherry Creek・手芸部ようこ
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